こんばんは。
先程、客室乗務員時代の友人達とビデオチャットを長々4時間位して、みんな仕事や家族構成が変わったりしたけどやっぱり人として変わってなくてやっぱりいいもんだなーなんて酒が進んで酔っ払いWATでございます。
東京、愛知、兵庫、バンコク、ロス、ドバイで一気にチャット出来るなんて世の中ほんと便利になったもんです。17年前ドバイに来た頃はこっちの郵便事情もよくなくてパソコン持ってない私は、初任給のなけなしの金で買ったFAXで親に手紙送ってたのに笑
さて、前回の記事ですが…お金の話。
あまり突っ込みすぎると色々言われるんじゃないかとも思いましたが、私が実際就活してる時になかなか確実なソースからの情報が少なく、この時代になっても情報収集に苦労した経験があります。特に家族持ちの方々には心配な要素であると思いましたので出来る限り書きました。
質問して下さいました日本人Pロットさん以外にも、就活してる方の一つの参考情報としてお役に立てれば幸いです。
日本人Pロットさんありがとうございました‼︎
さて次‼︎fox_samさんからのご質問‼︎
『ヒコーキファンとして、質問します。
確かエアバスを操縦されていると思いましたので ・・・サイドスティックは右手、左手どちらが扱いやすいですか?
(FO)、(CAP)席で違うと思いますが。』
私、旅客機デビューしてからまだ実際には右席でしか飛んだことないので…よくわかりません‼︎
ただ、左席デビューした同期の話によると、慣れだと。
確かに、訓練機はパイパーウォーリアーで左手で操縦してましたし、A320のシミュレーターに入ってもそれ程違和感なく操縦できました。
『また、ボーイングのような操縦桿と比較するとどうですか?
(スティックをグイッ、グイッと大きく操作している映像を見たことがあります)』
私、A320とA380とサイドスティックのしか握った事がありません。ボーイングの様な操縦桿は先程書きました様に訓練機と後は737風のシミュレーターだけ経験があります。
ヒコーキファンならご存知だとは思いますが、エアバスのフライトコントロールはフライバイワイヤーと言って、従来の操縦桿と違い、物理的に操縦桿がワイヤーと油圧系統を介し舵と繋がっていません。その代わり、サイドスティックの入力を電気信号としコンピューターを介し、電気信号で油圧や油圧モータを動かして舵を動かしています。
動画などで目の前の操縦桿を操っているものと、エアバスのサイドスティックを操っているものを比べてみれば気づくかも知れませんが、サイドスティックは従来の操縦桿に比べ動きが小さいはずです。
これは舵とつながってないから力が要らないと言うのもありますが、そもそも操縦理論が違うからです。
なんだかWATが難しい話し始めたぞオイなので、
舵を動かすvs飛行機の姿勢を調整する
と考えると分かりやすいかと思います。
サイドスティックをグッと握りしめてるパイロットは少ないはずです。私も力を伝えるのは、親指、人差し指、中指の三本です。
握りしめる必要ないですし、握りしめると微調整出来ませんし、あまり動かし過ぎるとPilot Induced Oscillationと言って飛行機とってに不要な動きを助長し、乗り心地も悪いですし、コンピューターが操縦を手助けする入力をしているのにそれを打ち消す余計な入力になります。
特にアプローチ中は飛行機の姿勢が安定せずにエンジン出力も安定せず、コースからも外れ、結局stabilizeせずゴーアラウンドにもつながります。
なのでグリグリ動かさないってのがエアバスが勧めるテクニックです。(でももちろん山にぶつかりそうになった時の操縦は、Full Back Stickです‼︎)
ですが、あくまでテクニックなので人それぞれでもあります。
私はまだ経験が浅い頃はグリグリしてました。インストラクターに、
マヨネーズ作ってんじゃねえ‼︎
と意味不明なこと言われて怒鳴られました(笑)
が、経験を積むうちに、どんなにファイナルで揺れてもオーバーコントロールになるグリグリは全く意味がないと悟り、ある程度コンピューターに任せ、この握り、操縦の仕方、出力コントロールを色々考えながら数センチ、ミリ単位の動きで動かすとあら不思議。とても安定して飛べるようになりました。
乗っていたA320はCFM56でA321neoは大きなLEAP1-A。機体の重さも最大30トンくらい違う、アプローチスピードも数ノットですが早い、エンジンもパワーはあるけどレスポンスがCFMに比べたらちょっと遅い(NA vs ドッカンターボ的な⁈)、機体の長さが違うからエレベーターの動きと飛行機の姿勢の感覚も違う、だけど翼は同じというなかなか理解するのが難しく、A321neoのダルイ動きを掴むまで数本かかりました。
けど、グリグリせず、ちょっと飛行機の動きを予想して動かすタイミングだけ早くして、大きく動かさずにほんのちょっと動かしてコンマ数秒ほんのちょっと長くホールドする感じ?でうまくいきました。
いまA380になって、とても舵が効いてパワーのある飛行機の操縦に、そう考えて飛んだ経験はとても生きています。それでも逆に数ミリしか動かさない事をまだ常に意識しないとオーバーコントロールになりますけどね。
サイドスティック、グリグリ、ダメ、ゼッタイなのでは⁈(笑)
次の質問、
『離陸時の上昇角度はリミットが定められていると思うのですが。
旋回時のバンク角は ・・・ </span>? というのは、最近羽田の国内線離陸機(B737とかB767)の上昇する角度がほぼ45度ぐらいです(軽いせいもあるでしょうが)。
バンクも30度を超えているような ・・・』
上昇角度の上のリミットは私の知る限りありません。(諸先輩方あったら教えて下さい‼︎)ただ、最低のClimb Gradientってのは出発経路により定まっています。
この例では最低5%で上昇して行くために、対地速度と上昇率が書いてある表です。これを守れる様に、パワーやフラップをしまうスケジュールを決めます。(会社のポリシーやNoise Abatementも含め)
また会社により数値は変わりますが、Level offする1000〜2000ft以内は上昇率を1500〜1000ft/minに抑える必要があります。これはちゃんと決まった高度を超えずに水平飛行機 に移り、他機ときちんとセパレーションを保ち、また他の飛行機が近くにいてTCASが働くのを防止する決まりです。
旋回時のバンク角は、基本最大30度で旋回半径、速度、風、重さ、フラップ角などにより変わります。
羽田だなんだかすんごい角度で飛んで見えるのは、強い向かい風で飛行機が軽いからってのもあるでしょうね。実家からRWY04の出発が見えるので同じことを考えてました‼︎
あまりマニアック過ぎると置いてけぼりになって読むの面倒かも知れないんで今日はこの辺で。。。
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