少女の夢

こんにちは。

先日、インドのナグプールに行ってきました。

前日に、インド仏教のかなり偉い方が日本人だというドキュメンタリーを見ました。

その方は何十年も日本に帰らずデリーやナグプールにて布教を進め、

最下層カーストで未だに苦しむ人々を救い、

更には重要な遺跡を発掘しヒンズー教の支配と戦っている…という内容のものでした。

かなり前のVTRだったで未だにご健在か分かりませんが、

世界にはもんのすごい志の高い日本人がいるんだなぁと思っていたら

何の縁か次の日はナグプール線でした。。。

キャプテンはチュニジア人のおばちゃんキャプテン。

そういえば初めての女性キャプテンとの仕事でした。

飛行機に乗るなり鞄からガサゴソと箱を取り出し、

ビスケットをオファーされました。

ありがとうございます、とひとつ頂いたら、

「男なんだからもっと食べなさい!!」と10個ぐらい取らされました(笑)

そしてまだまだたくさんあったビスケットはキャビンクルー達に配って…

大阪のおばちゃんの飴ちゃんを配る習慣と同じのりなんでしょうね(´∀`)

話をしているとお子さんがいて、最近フライトスクールを卒業したそう。

「それより、日本のアニメにはまっていてどうしよもないのよ~あはははは!!」

と笑い飛ばしていました。

現在その歳で、女性で何万時間も持っているキャプテンで、

しかもチュニジアとどちらかと言えば女性には閉鎖的であっただろう国で若い頃から飛び始め、

あ、でもフランス領だったから自由はあったのかな?

子供もいてってことは出産してカムバックしているということ??

20年位前に。

もー彼女の人生に興味津津で聞きたいことは山ほどありましたが、

初対面なのにあまりパーソナルな質問になってしまうと失礼なので、

また今度一緒に飛ぶ時に聞こうかと思います。

しかし、落ち着き払っていて、信頼してくれて(少なくとも表向きは…)

しかも、行きは私がPFだったのですが、

「リラックスして飛びなさい。そうすれば必ず良いパフォーマンスで飛べるから。」

「疑問はなんでも聞きなさい。何でも答えるから。」

と、たまにこう言ってくれるキャプテンはいますが、

同じセリフでもただ言っているわけではなく、

とっても信頼できる聞こえ方で言ってくれました。

お陰で、モンスーン真っ最中の豪雨のアプローチも完璧。

風がグルグル回るファイナルもビタっとキメて、安全に降ろすことが出来ました。

その他も見習うことがとても多いキャプテン。

みんなこうだったら毎日いろんなこと学べて楽しいのに!!
(や、みなさんいいキャプテンばかりです。はい。)

ベースに帰ってきてインド人の少女がコックピットで写真を撮りたいと入ってきた。

もうそりゃあキャプテン、200%ウェルカムモードで写真撮ってあげてた。

その少女が去り際に、

「I wanna become a pilot!!」

とキャプテンに言うと、

「You will, you will be a pilot like me one day, Inshallah.」

と優しく頭をなでました。

その少女が去り、私は書類を片付けているとキャプテン、

「I was her when I was little, my aviation life was started from that time.」

いつの日かその少女が大人になり、コックピットでビスケットを配り、

その人間性から多くのパイロットたちから慕われる日は、

そう遠くない未来でしょうね。

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